小鳥に最適な「止まり木」を考える
今回は、小鳥の飼育用品として必須である割に、ゲージの付属品扱いされがちな「止まり木」について解説します。
止まり木の種類
止まり木は大雑把に言うと3種類に分けられます。
加工木(人工木)の止まり木
ゲージに付属されているのがこのタイプです。加工されているので枝の太さが均一です。そのため、まだ止まり木に止まるのが上手くない若い小鳥におすすめと言えます。
天然木(自然木)の止まり木
普通の木の枝をそのまま活用しているタイプです。加工木の止まり木とは異なり、太さが均一でなくデコボコしています。このデコボコのおかげで小鳥の足の自重がかかる場所が分散され、足の負担が小さくなります。
プラスチックの止まり木
プラスチックでできているタイプです。木製に比べて硬く、表面がツルツルしているため、小鳥の足に負担がかかるのでおすすめできません。通院時のキャリーケースでの使用など、あくまでも一時的な使用に留めるのが良いかと思います。
我が家で使用中のキャリーケースについている止まり木もプラスチックです。
おすすめ度としては
天然木(自然木) > 加工木(人工木) > プラスチック
と言えましょう。
最適な止まり木の太さ
止まり木の太さは小鳥が足で止まり木を掴んだときに、2/3程度の隙間ができると良いと言われています。
足の指が一周してくっついてしまう場合は細すぎで、逆に足の指の隙間が2/3に満たない場合は太すぎです。
小鳥の種類によって身体の大きさ、足の大きさが異なるので、適切な太さが違ってきます。
我が家のキンカチョウの場合、全長10~12cm、標準体重は12~15gと小柄です。そのため、止まり木の太さは細め(直径0.8cm〜1.2cm程度)が良いですね。
加工木(人工木)の場合は、だいたい直径1.2cmが最も細い止まり木です。
平均的なキンカより更に小柄な個体の場合は、ペットショップで現物を見て、細めの天然木(自然木)を選んだほうが良いでしょう。
止まり木の設置本数
止まり木は、ゲージ内に最低2本設置します。
(2本以上追加してもかまいませんが、つけた分ゲージ内が狭くなるので注意が必要です。)
2本のとまり木を設置する場合、ゲージ手前側の低い位置に1本、奥側の高い位置に1本設置します。
- 手前下側の止まり木
餌や水を飲むための移動用として(餌入れや水入れはゲージの手前、下側にあるため)。 - 奥上側のとまり木
休憩や睡眠時の居場所として(小鳥は高い位置のほうが安心するため)。
我が家の「HOEI 21デラックスG」程度の大きさだと2本で十分です。
ここに3本目を入れてしまっては、キンカたちが飛ぶスペースがなくなってしまいます。
HOEI 21デラックスGのサイズ
幅290mm × 奥行き365mm × 高さ390mm
止まり木の清掃と交換時期
ゲージに付属でついてくるため、うっかりしがちですが止まり木は消耗品です。
定期的な清掃と交換が必要となってきます。
清掃
止まり木にフンがついてるようなら拭き取る程度で、毎日の掃除は不要です。
ゲージを洗うタイミングでゲージもろとも止まり木も丸洗いし、天日干しするのが良いでしょう。
手乗りでない小鳥のゲージを洗う方法については、こちらを参考にどうぞ。
- 小鳥のお世話と手乗りでない小鳥(荒鳥)のゲージを洗う方法
- 事前準備:ゲージを洗う時のために予備ゲージを用意しておきます。1.洗いたいゲージから餌と水を外します。2.ゲージの出入り口が開いた状態で、落ちないようにクリップなどで固定します。予備ゲージも同様に出入 …
- https://sendai-kuraso.com/blog/kinkachou/gauge-move.html#m03
交換時期
天然木(自然木)か加工木(人工木)かで微妙に交換時期が異なります。
- 天然木(自然木)の止まり木
表面の木の皮が剥がれてきたら交換時期です。 - 加工木(人工木)の止まり木
洗っても汚れが落ちにくくなったら交換時期です。
止まり木を自作する場合
拾ってきた自然木をそのまま使用するのはおすすめできません。もしかしたら、小鳥に害のある木である可能性があります。
止まり木としての使用に問題がない種類の木であるかの確認が必要ですので、植物の知識がない場合はやめた方がいいと思います。市販品でも十分りっぱな天然木(自然木)の止まり木が買えます。
しかし、もしかしたらちょうどよい自然木が手に入ったので作ってみたいな。ということもあるでしょう。その場合は、洗浄と消毒をすることが大切です。
水に一晩沈めて虫を駆除し、洗って熱湯消毒の後、天日干しでしっかり乾燥させましょう。
止まり木を自作したい! という方は、「愛鳥のための手づくり飼育グッズ」という本に、止まり木を作り方が解説されています。こちらを参考にチャレンジしてみてください。
小鳥の止まり木についてのまとめ
- 止まり木の種類別おすすめ度は天然木(自然木) > 加工木(人工木) > プラスチック
- 止まり木の最適な太さは、小鳥の種類(身体の大きさ)に応じて違う
- ゲージには止まり木を最低2本設置し、広さに応じて増やす
- 止まり木も定期的な清掃と交換が必要
- おすすめするわけではないが、最良の止まり木を目指す方は自作しても良し
たかが止まり木。されど止まり木。意外と奥が深く、沼を感じます。
すでに散々貢いでおりますが、さらに貢ぐことになりそうです……。
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しかし、愛する小鳥の快適な生活のために、止まり木1本にも手をかけてあげましょう。気に入ってもらえるといいですね!