SBI証券で代用有価証券FXを試してみる
上手な株トレーダーさんは「デイトレード」という一日で終わらせる投資ができます。株の値動きを見張り、チャートを読み、予測をし……。しかし、私のようなワーキングマザーにはとても無理です。
というわけで、私の株式投資の基本は長期保有です。
そして、長期保有する株式は保有している間その資金を動かせません。
この資金をうまく活用できないかな? というわけで、今回は保有株式の資金を活用できる「代用有価証券制度」をご紹介します。
- 代用有価証券制度とは
- 代用有価証券制度のメリット・デメリット
- SBI証券で代用有価証券FXをやるためには
- 評価額の算出方法
- 「預託保証金」の不足について
- 「預託保証金」が不足とならないようなFXポジションとは
- 代用有価証券FXを試してみるまとめ
代用有価証券制度とは
代用有価証券制度とは、持っている株式を証拠金の代わりに担保として差し入れて取引できる仕組みのことです。一般的に国内株式で信用取引をする場合に使用します。
しかし、証券会社によってはFX取引にも使用できます。SBI証券を例にあげますと「FX株券担保サービス」として保有株式をFX取引の証拠金として差し入れることができます。
つまり、株式の配当や株主優待を手に入れながら、現金を使わずにFX運用をすることができてしまいます。
例えば、イオン株は近所のイオンがなくなるまで手放すつもりはありません。
この長期保有するイオン株の評価額の70%を保証金として利用できる、というわけです。
- イオンでお買い物をするならば所有必須の「イオン株」について
- 正直に申し上げて、イオン株の配当利回りはあまりよろしくありません。2020/9時点で1株2,687.5円、配当利回りは1.34%となっております。配当利回り3%超えの株がそこらにある中でのこの利回り。額面通りに受け取りま…
- https://sendai-kuraso.com/money/stock8267.html
ただし、記事公開時「SBI証券」でFX取引の証拠金として差し入れることができるのは「国内上場株式」のみですのでご注意ください。
代用有価証券制度のメリット・デメリット
メリット
- 資金効率が抜群に良い
- 配当金と株主優待が受取可能
- いつでも売却可能
デメリット
- 株価とFX保証金が比例するためハイリスク
- 貸株サービスは利用不可
- NISA口座の株式は非対応
資金効率が抜群に素晴らしい仕組みですが、株価が下落すると評価額も下がり、FX保証金と維持率も低下するというハイリスクな制度です。
メリットとデメリットを把握し、リスク管理を徹底しましょう。
SBI証券で代用有価証券FXをやるためには
1. FX口座を開設
SBI証券のユーザーならば、1分かからずに開設できます。
2. FX取引ページより申し込み
代用管理 → 株券担保サービス申込 から申し込みができます。
※FX口座開設直後は申込みができませんのでご注意ください。
3. 株式を担保(証拠金)へ振替える
株券担保サービスへの申込みが承認されましたら、続いて所有株式をを担保(証拠金)へ振り替えます。
代用管理 → 代用有価証券一覧 へ進むと所有している株式が表示されます。
その中から、担保としたい銘柄の「代用振替」にチェックを入れます。
※チェック後すぐには振替されませんのでご注意ください。
評価額の算出方法
株式が担保として証拠金になる場合の評価額についてですが、SBI証券では「前営業日の時価評価額に70%を乗じた価額」と定めております。
つまり、前日10万円の評価額だった株式の代用有価証券充当評価額は、
10万円 × 70% = 7万円
7万円がFXの保証金として使えるわけです。
「預託保証金」の不足について
「預託保証金」が「実質保証金」を下回っている場合、「預託保証金」の不足と判定されアラートが表示されます。
預託保証金 < 実質保証金 = 預託保証金不足
預託保証金とは
代用有価証券充当評価額(所有株式の前日評価額×70%)とSBI証券FX口座に入っている現金を足した金額のことです。
預託保証金 = 現金 + 代用有価証券充当評価額
実質保証金とは
預託保証金(現金+代用有価証券充当評価額)とFXポジションの評価損益を足した金額から現引の拘束金を引いた金額のことです。
実質保証金 = 預託保証金 + FXポジション評価損益 - 現引の拘束金
預託保証金不足アラートが表示された場合
預託保証金の不足を解消するためには、以下2つの方法があります。
- SBI証券FX口座に現金を振り込みして「預託保証金」の金額を増やす
- FXポジションの一部または全部を決済して「実質保証金」の金額を減らす
要は、預託保証金 > 実質保証金となればオッケーです。
「預託保証金」が不足とならないようなFXポジションとは
代用有価証券制度のメリット・デメリットでも書きましたが、代用有価証券FXという手法では、株価とFX保証金が比例します。つまり、株価が下がると保証金も下がります。
株価の下落時は円高に振れることが多いため、「売り」のポジションをとったほうが安全と言えます。
そして長期保有の可能性を考えた場合、スワップはプラスのほうが良いです。
そうなると、「ユーロ円売り」がベストかなと思います。
保有株式30万円分に対してユーロ円売り1万通貨
保有株式が30万円分ならば、その70%の21万円がFXの保証金として使えます。
ユーロ円売り1万通貨に必要な保証金を約5万円とすると、余力は16万円となります。これだけ余裕があれば、株価の下落による保証金の減少や、ユーロ円が逆行にもある程度耐えられます。
たとえ保有ポジションから逆行してしまったとしても、株式の場合は株の成長や配当が期待できるし、FXユーロ円売りの場合は微々たるものですがスワップがもらえます。
塩漬けしていた株式が高配当株(のようなもの)に変身するかもしれません。
代用有価証券FXを試してみるまとめ
- SBI証券で長期保有している株式がある場合は、「FX株券担保サービス」で代用有価証券FXを試してみよう。
- 代用有価証券充当評価額の算出方法法(前日評価額の70%)を理解し、リスク管理を徹底しましょう。
- 預託保証金不足とならないためのFXポジションは「保有株式30万円分」に対して「ユーロ円売り1万通貨」
長期保有している株式をお持ちの方は、代用有価証券FXで保有株式をご活用ください。
また、株式を長期保有している証券会社が代用有価証券FXに対応していない場合は、SBI証券口座への株式移管もご検討ください。